国民主権とは何か?政治家と国民の本来の関係を考える

2025/06/06

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国民主権とは何か?政治家と国民の本来の関係を考える

「国民主権」という言葉、皆さんはどれほど意識しているでしょうか。

これは単なる政治用語ではなく、日本国憲法の根幹をなす基本原則です。私たちが政治とどう関わるかを考えるうえで、この「国民主権」の意味と現実とのギャップを理解することが極めて重要です。

国民主権とは何か?
国民主権とは何か?

国民主権とは?

国民主権とは、「国を動かす最終的な権力は国民にある」という考え方です。これは民主主義の基本であり、日本国憲法第1条でも明示されています。

では、政治家も国民なのだから「政治家=主権者」になるのでしょうか? 答えは「いいえ」です。

政治家は「国民の代表」

政治家は、あくまで「国民の中から選ばれた代表」に過ぎません。国民一人ひとりの意思を“代理して”政治を行うのが政治家の役割です。

  • 政治家の立場:国民の一人
  • 仕事の役割:国民の代表として政治を行い、その意思を反映させる
  • 主権との関係:主権者である国民から「政治を託されている」立場

つまり、政治家は主権を持っているのではなく、「主権者である国民から一時的に委託された」存在です

株主と経営者の関係に例えると

この関係を、企業にたとえてみましょう。

国民は会社の「株主」、政治家は「経営者」に当たります。経営者は株主から信任を得て企業運営を行いますが、最終的な所有権は常に株主にあります。同じように、政治の最終的な責任と権力は、常に国民にあるのです。

しかし現実は「専制」に近い?

戦後の日本政治においては、国民主権の理念が十分に反映されているとは言いにくく、時に“専制的”な印象を与える状況も見受けられます。

たとえば、沖縄の基地問題(特に普天間基地の移設)、消費税の増税、安全保障関連法制(安保法制)など、国民の大多数が反対していたにもかかわらず、強行されてきた政策は数多くあります。

その背景には、政治家が国民の声を軽視する姿勢や、「一度選ばれたら何をしても良い」とする考え方があります。

冷たい政治家の発言例

こうした傾向は、政治家の発言にも現れています。いくつか象徴的な例をご紹介します。

「貧乏人は麦を食え」

1950年、戦後復興期に大蔵大臣だった池田勇人氏は、米価の高騰に苦しむ庶民に対し、「米が高ければ麦を食べればいい」と発言。これは「庶民の生活を理解していない」として国民から批判。

稲田朋美議員(自民党)

2012年、東京都内で開催された「道義大国を目指す会」での講演で国民の生活が大事なんて政治はですね、私は間違っていると思います。」と述べている。

長勢甚遠議員(第一次安倍内閣で法務大臣)

2012年、創生「日本」の研修会では、自民党憲法改正草案に対して「国民主権、基本的人権、平和主義はマッカーサーが日本に押しつけた戦後レジームそのもの。これをなくさなければ本当の自主憲法ではない」と述べ。この発言は、国民主権を含む現行憲法の基本原則を否定するものとして批判を受ける。

麻生太郎元首相の発言

  • 2019年:「老後は2000万円必要」発言。高齢者や将来不安を抱える人々から「国が老後を見放した」との批判が集中。
  • 2013年:「ナチスに学べ」発言。「ナチスを肯定しているのか?」と国内外から批判。
  • 2007年:「子どもを産まない方が問題」発言。少子化対策に関して、女性や不妊に悩む人への配慮を欠いた発言として炎上。

いずれも、多くの国民の感情や現実から乖離した発言として国民から非難。

「自助・共助・公助」発言

菅義偉元首相は2021年、「まず自助を」と述べ「自己責任論」に。

  • 自助:自分で自分の生活を守る(例:備蓄、節約)
  • 共助:地域での助け合い(例:防災訓練、町内会)
  • 公助:国や自治体の支援(例:生活保護、災害支援)

コロナ禍で苦しむ国民に対し「見放されたような印象」を与えたと批判。

石破茂首相の発言も物議に

2025年に就任した石破茂首相も、複数の発言で国民から批判を受けます。

  1. 「自民党は公約を守ったことがない」発言
    2025年1月、国会答弁中の発言とされ、国民の政治不信を招いた。
  2. 「総裁選の政策通りやることはない」発言
    2024年12月、衆院予算委員会での発言が報じられ、「選挙公約の否定」と批判された。
  3. 「日本の財政はギリシャより悪い」発言
    2025年5月に行われた発言が、経済界に大きな波紋を呼ぶ。
  4. 「疲れている」印象と外交での失策
    国際会議での非礼な振る舞いが話題となり、外交能力にも疑問符がついた。
  5. 5万円現金給付案を中止
    2025年4月、政府・与党は物価高や米国の関税措置への対策として検討していた補正予算案の提出を見送り、国民一律に現金5万円を給付する案も実施しない方向で固めました。新人議員には10万円のお土産を渡し。国民には批判を口実に支援をやめました。
  6. 能登半島地震への対応と補正予算の先送り
    2024年10月、石破首相は能登半島地震と大雨による被害の状況を視察し、「できる限り最大限の支援をしたい」と述べました。しかし、補正予算の編成を先送りし、予備費で対応する方針を示し。被災者からは、再建の見通しを持てるかが重要であり、予備費では不十分との声が上がっています。

これらの事例から、石破政権が国民支援よりも政治的な体裁や批判回避を優先している。
特に、給付案の断念や補正予算の先送りは、国民の生活支援や被災地の復興に対する消極的な姿勢として受け取れます。

民意が反映されにくい日本の政治構造

日本では、憲法改正を除いて、国民が直接意思を示す「国民投票制度」がほとんど存在しません。また、メディアの報道やネット上の情報が偏っていることで、民意の形成そのものにも影響が出ています。

私たちは今一度、「主権は国民にある」という原点に立ち返る必要があります。政治に無関心でいることは、自らの権利を放棄することにつながります。情報を正しく読み解き、声を上げることが国民主権の実現に直結するのです。

参考・出典
日本国憲法 第1条~第15条
NHK政治マガジン・過去の国会答弁集
朝日新聞・毎日新聞・読売新聞 各紙の報道記事
国会図書館デジタルアーカイブ:池田勇人発言資料
内閣府・政府広報資料(2019~2025)

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