消費税の問題点と民意
消費税は、日本において最も多くの国民に影響を与える税制のひとつです。しかし、そのたび重なる引き上げには、国民の理解や納得が必ずしも伴ってきたわけではありません。
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消費税の問題点と民意 |
消費税制度の基本
消費税は、商品やサービスを購入する際に広く課される税で、現在の税率は10%(軽減税率8%あり)です。初めて導入されたのは1989年で、当初は3%でした。 その後、1997年に5%、2014年に8%、2019年には10%へと段階的に引き上げられました。
民意と食い違う税率の引き上げ
国民の大多数が消費税の増税に慎重な姿勢を示しているにもかかわらず、政府は一貫して「社会保障の安定化」や「財政健全化」を理由に引き上げを続けてきました。
世論調査に見る国民の声
- NHK(2023年): 「消費税のさらなる引き上げに反対」…67%
- 朝日新聞(2019年): 「10%引き上げを評価しない」…62%
- 共同通信(2022年): 「消費税を減税すべき」…約60%
これらのデータが示すように、消費税の増税に対する否定的な声は一貫して多数派です。
消費税が抱える構造的問題
1. 逆進性(貧困層ほど負担が重い)
消費税は一律に課税されるため、所得が少ない人ほど収入に対する税負担率が高くなるという「逆進性」の問題を抱えています。結果として、生活が苦しい層ほど税負担が重くなる傾向があります。
2. 中小企業への影響
消費税の転嫁が難しい小規模事業者は、自腹で税を負担するケースもあり、経営を圧迫しています。
3. 本当に社会保障に使われているのか?
政府は増税のたびに「社会保障の充実」を謳っていますが、実際には、法人税の減税や他の財源補填に使われているという指摘も多く、財政の使途に不透明感があります。
私たちにできること
- 地方自治体や国会議員への意見提出(オンラインフォーム可)
- 署名活動への参加やSNSでの情報共有
- 消費税に代わる財源の議論への関心(例:富裕税・金融取引税)
まとめ
消費税制度は国の根幹を支える一方で、私たちの暮らしに直結する制度です。その運用や改定は、政治家任せではなく、私たち一人ひとりが声を上げていくことで初めて、民主主義のプロセスに組み込まれていきます。民意を無視した制度運営をただすためにも、「知ること」「伝えること」「行動すること」が必要です。
出典・参考文献
NHK「世論調査:消費税の引き上げに対する意識」(2023年)
朝日新聞「消費税に関する世論調査」(2019年)
共同通信「経済政策に関する全国調査」(2022年)
総務省統計局「家計調査報告」
『消費税の本当の話』(斎藤貴男 著)
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